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ディレクターの山口洋一氏によるトークも実施された「Neo ATLAS 1469」の体験会をレポート

アートディンクは、東京・台場にて10月14日、2016年10月27日発売予定のPS Vita用ソフト「Neo ATLAS 1469」の製品版を体験できるイベント「海賊のアジトへ潜入『Neo ATLAS 1469』体験会」を開催した。
Neo ATLAS 1469」は大航海時代の世界を舞台に探検や交易などを行いながら情報を集め、独自の世界地図を作り上げていく「THE ATLAS」シリーズの最新作だ。2000年にプレイステーション2で発売された「Neo ATLAS III」以来となる久々の新作タイトルの登場とあってファンの関心は高く、平日昼間の開催にも関わらず数多くのファンが集結。製品版を使っての試遊を存分に楽しんだ。


今回の体験会はアクアシティお台場のレストラン「KING OF THE PIRATES」にて開催。
海賊をテーマにしたお店ならではの趣向を凝らしたディスプレイが目を引いた。
体験会に先立って、まずはプロデューサーの清道孝行氏とエグゼクティブディレクターの山口洋一氏が登場。「東京ゲームショウの体験プレイは15分だけでしたが、今日は2時間プレイしていただけます。このゲームを楽しむには短いかもしれませんが、思う存分遊んでいただけたらと思います」(清道氏)。「『Neo ATLAS』をやりたいという人がこんなに集まってくれて感動しています。今日はどうぞ楽しんでいってください」(山口氏)と、それぞれ挨拶した。

プロデューサーの清道孝之氏 エグゼクティブディレクターの山口洋一氏

元「LOGiN」編集長である高橋ピョン太氏が体験用ソフトを持参。
今回の体験会はスクリーンショットや動画の撮影、SNSへの投稿が自由となっており、清道氏も「『Neo ATLAS』の宣教師となって、どんどん布教してください」と呼び掛けるなど来場者に積極的な情報の発信を奨励。レストランが会場だけあってドリンクやフードもふんだんに用意されており、来場者たちは食事をしながらプレイする人、スマートフォンで撮影しまくっている人、黙々とプレイし続ける人など、それぞれが思い思いのスタイルで体験プレイを楽しんでいた。また、山口氏も店内を回って来場者たちと交流。ファンからのさまざまな質問に応えたりサインに応じたりしていた。

今回の体験会はプレイ時間が2時間とかなり余裕があり、じっくり楽しめるようになっていた。

レストランが会場だけあって、フード類もたっぷりと用意されていた。
ゲストの山口洋一氏と高橋ピョン太氏によるフリートークも行われた。高橋氏は1作目からシリーズを追いかけていて、「当時はミゲル(ゲームの案内役を務めるキャラクター)もいなかったし航路を引くのも大変だったけれど、そこがボクには新鮮でした」と回想。特に画面の色使いには衝撃を受けたそうだ。
山口氏によると当時のPC9801は16色しか表示することができなかったが、1作目の「THE ATLAS」では、そのうちの10色以上をセピア調の色を出すのに使用。モノクロのゲームと勘違いされたこともあったというが、それだけに他のゲームにはない独特の映像になっていて、高橋氏も「マッキントッシュのペイントツールを使ったような色使いに“何だ、これは!?”となりました」と、当時の思いを語った。

そもそも「THE ATLAS」シリーズが生まれたのは山口氏がとある古地図を見たのが始まりで、適当な線で書かれていてクジラや想像の怪物などが描かれているその地図を見て、「この世界をゲームにしたい」と考えたのだという。アジア、インド、ジパングに憧れた時代の人々(ヨーロッパ人)の価値観をゲームにしたいという思いに「地図を作る」というコンセプトが加わり、もたらされた情報を「信じるか、信じないか」で世界の地図がさまざまに変わっていくシステムを発想。証明されるまでは世界の形が分からないという本シリーズのコンセプトが作り出された。ちなみに、最初のタイトルは舞台が大航海時代であることにちなんで「東インド会社」だったそうだ。

ガイド役でおなじみのキャラクター、ミゲルの原型が山口氏自身だという意外な裏話も披露された。「Neo ATLAS」の制作時、スタッフに旧作をプレイさせてみたのだが「難しい」、「どうすればいいか分からない」という反応が返ってきたのだという。そこで、山口氏が航路の引き方や貿易の仕方などをアドバイスしてみたところ、「このゲーム、面白いですね」と、のめり込んでいったことから、そうしたヒントを出すキャラクターを入れることを思いついたそうだ。
シリーズの名物アイテムのひとつで、今作にも登場する「イヴラークの骨」のネーミングの由来も。当時、ある絵本で隠されている謎を解くと、とある場所にある宝のありかが分かるという企画があり、山口氏もこれと同じように現実にどこかに宝物を隠して、ゲーム中のヒントを元にユーザーに探してもらうというキャンペーンを思い立ったそうだ。
さすがにこのアイディアは許可が出ず、「ゲーム中で特定の宝物を見つけるとメイプルリーフ金貨をもらえる」という形になった。では、「何を見つけてもらおう」ということになり、その打ち合わせを焼き肉屋でしていたとき、テーブルの「骨付きカルビ」を見て、カルビの英語スペル「Calvi」ひっくり返して「Ivlac(イヴラーク)」と命名したのだという。高橋氏はこのエピソードがかなりお気に入りだそうで、「そういう遊び心がやられちゃうところですね」と笑った。
そんなさまざまな歴史を持つシリーズの最新作である「Neo ATLAS 1469」。現在のプレイヤーも楽しめるよう、いたれりつくせりの親切設計になっているが、「ゲームの本質は何も変えていません」と山口氏はアピール。シリーズのファンは安心してプレイできて、新規のプレイヤーは新鮮な驚きが得られる内容になっていると強い口調で述べた。その工夫のひとつがチュートリアルで、「あまりでしゃばりすぎず、システムを学びながら自然に(ゲームの世界に)入っていける形になっています」とのことだ。

ゲーム開始時の難易度もかなり落としてあるというが、中盤から後半はかなり歯応えがあって「これ、どうやって見つけるの?」と言いたくなるような発見物も多数仕込んであるという。ただ、「それらを見つけなくてもゲーム自体は進められます」とも語っており、「見つけたい人はどうぞ見つけてみてください」と、山口氏はいたずらっぽく笑った。
A列車で行こう」や「カルネージハート」などもそうだが、アートディンクのゲームには「世界を作ってそこで遊ぶ」というものが多い。山口氏は「ボクはそこがすごく面白くて、みんなに遊んでもらうための世界を作るのがゲームデザイナーの仕事だと思っています」と強調。その気持ちは今も変わっておらず、そうしたゲーム作りができることに改めて感謝の念を述べた。
最後に「Neo ATLAS 1469」の体験版の配信を発表。配信日は未定だが喜望峰までプレイ可能で、製品版にセーブデータを引き継ぐこともできるとのこと。山口氏いわく「最後のほうにちょっと凝った演出も入っている」そうなので、ぜひチェックしてみてほしい。

ジャンケン大会も開催。勝ち抜いた来場者に本作のロゴが入ったスタッフポロシャツがプレゼントされた。

店内のさまざまな場所にディスプレイされていたボックスも全員にプレゼント。

デッキに出て海を眺めながらプレイすることもできるなど大人な雰囲気の体験会だった。
THE ATLAS:(C)ARTDINK Neo ATLAS:(C)Flip Flop Neo ATLAS 1469:(C)2016 STUDIO ARTDINK / ARTDINK